冬のエアコン暖房が立ち上がり遅い原因は?劣化サインの見極め方と買い替えor修理の判断基準を解説

「冬になるとエアコンの暖房がなかなか暖まらない」「以前より立ち上がりが遅くなった」に悩んだことはありませんか?

立ち上がりの遅さは単なる寒さのせいなのか、エアコンの劣化サインなのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、暖房の立ち上がりが遅くなる原因と、買い替えか修理かの判断基準について解説します。

冬にエアコン暖房の立ち上がりが遅くなるのはなぜ?

ヒートポンプ暖房の特性(外気温が低いと効率が落ちる)

エアコンの暖房は「ヒートポンプ」技術で外気から熱を取り込む仕組みのため、外気温が低くなるほど暖房能力が低下します。

特に外気温が0℃前後になると、立ち上がり時間が大幅に長くなります。これはエアコンの故障ではなく、ヒートポンプの原理上避けられない現象です。

冬特有の「霜取り運転」による遅延

冬場は室外機に霜が付着し、エアコンが自動的に「霜取り運転」を行います。この間は暖房が一時停止するため、立ち上がりが遅く感じる原因となります。特に朝一番の起動時に発生しやすい傾向があります。

正常範囲と異常のライン

暖房運転開始から暖かい風が出るまで3分から10分程度が正常範囲です。10分から20分以上経っても暖かくならない場合は異常の可能性があり、同じ外気温条件で以前より明らかに遅くなっている場合は点検を検討すべきサインです。

立ち上がりが遅い時に疑うべき劣化サイン

熱交換器・フィルターの汚れによる能力低下

最も多い原因がフィルターや熱交換器の汚れです。空気の流れが悪くなり、熱を効率的に放出できなくなります。清掃で改善しやすく、内部洗浄で立ち上がり速度が劇的に回復するケースも多くあります。

冷媒ガス不足による暖房性能の低下

冷媒ガスが不足すると十分な熱を作れず、暖房性能が大幅に低下します。「風は出ているのに暖かくならない」という症状が典型的です。配管からの微量な漏れや経年劣化が原因で発生します。

コンプレッサー・ファンモーターの劣化

使用年数が10年を超えたエアコンでは、コンプレッサーやファンモーターの劣化が原因になっていることがあります。出力低下により暖房能力が落ち、電気代の増加にもつながります。

センサー異常・制御基板の不具合

室温センサーに異常が発生すると、暖房の開始タイミングが遅れます。エラー表示が出ていなくても発生するケースがあるため、動作がおかしいと感じたら専門業者の診断をおすすめします。

室外機周囲の環境

室外機の吸排気口が落ち葉やゴミで詰まっていたり、周囲に物が置かれていたりすると、十分な熱を取り込めません。積雪地域では雪が室外機を覆うことで暖房能力が著しく低下するケースもあります。

自分でできる立ち上がり改善方法

専門業者に依頼する前に、まずはご自身でできる改善策を試してみましょう。設定の見直しや簡単な清掃だけで立ち上がりが改善するケースも多くあります。

設定温度・風量・風向の見直し

暖房運転時の風向は「上向き」に設定するのが基本です。暖かい空気は自然と上昇する性質があるため、上向きに吹き出すことで天井付近を伝って部屋全体に暖気を循環させることができます。逆に下向きに設定すると、暖気が床面に届く前に上昇してしまい、効率的に部屋を暖められません。

風量については、立ち上がり時は「自動」または「強」に設定することで暖まるまでの時間を短縮できます。省エネを意識して風量を「弱」に固定している方もいらっしゃいますが、弱風では空気の循環が不十分になり、かえって設定温度に到達するまで時間がかかってしまいます。まずは強風で一気に室温を上げ、設定温度に達してから風量を下げるという使い方が最も効率的です。

設定温度については、20℃から22℃程度を目安にすることをおすすめします。早く暖めたいからといって28℃や30℃に設定しても、エアコンの出力には限界があるため立ち上がり時間はほとんど変わりません。むしろ高すぎる設定温度はエアコンへの負荷を増大させ、故障や電気代増加の原因になることがあります。

フィルター・室外機のチェック

フィルター清掃は2週間から1ヶ月に1回を目安に行うことをおすすめします。フィルターにホコリが溜まると空気の吸い込みが悪くなり、暖房能力が大幅に低下します。フィルターが目詰まりした状態では消費電力が25%以上増加するというデータもあり、立ち上がりの遅さだけでなく電気代にも直結する問題です。

清掃方法としては、まずフィルターを取り外して掃除機でホコリを吸い取ります。汚れがひどい場合は水洗いも可能ですが、必ず完全に乾燥させてから取り付けるようにしてください。湿ったまま取り付けるとカビの発生原因になります。また、室内機の吸気口周辺にホコリが溜まっていないかも併せて確認しましょう。

室外機については、周囲30cm以上のスペースを確保し、吸排気を妨げる障害物がないか確認することが重要です。植木鉢や物置、自転車などが室外機の近くに置かれていると、外気から十分な熱を取り込めず暖房効率が低下します。特に冬場は、落ち葉や積雪が室外機を覆っていないか定期的にチェックしてください。防雪カバーを取り付けている場合も、設置方法によっては吸排気口を塞いでしまっている可能性があるため見直しが必要です。

サーキュレーターで空気循環を補助

サーキュレーターの併用は立ち上がり改善に非常に効果的な方法です。暖かい空気は軽いため天井付近にたまりやすく、エアコンだけでは床面まで暖気が届きにくいという問題があります。サーキュレーターで空気を撹拌することで、天井付近の暖気を床面に押し下げ、部屋全体を効率よく暖めることができます。

設置位置としては、エアコンの対角線上に置いて天井に向けて運転するのがおすすめです。こうすることで、エアコンから出た暖気が天井を伝って部屋の反対側まで届き、サーキュレーターによって下に循環するという効率的な空気の流れが生まれます。

サーキュレーターを使うと、室温が設定温度に到達するまでの時間が短縮されるだけでなく、部屋全体の温度ムラも解消されます。その結果、エアコンの負荷が軽減されて電気代の削減にもつながります。特に天井が高い部屋や縦長のリビングでは、サーキュレーターの効果が顕著に現れますので、ぜひ取り入れてみてください。

買い替えor修理の判断基準

使用年数で判断(10〜12年が目安)

使用年数が10年を超えると部品の劣化が急速に進み、メーカーの部品供給も終了しやすいタイミングです。10年から12年を超えている場合は、買い替えを検討すべき時期といえます。

修理費と電気代の総合コストで判断

修理費用の相場は2万円から5万円程度ですが、古いエアコンは電気代が高く、年間1万円から2万円の差が出ることも珍しくありません。今後数年間の電気代も含めた総合コストで判断することが重要です。

暖房能力の低下が”慢性的に”起こっているか

設定温度に達するまでの時間が年々遅くなっている場合は、エアコン全体の劣化が進行しているサインです。一時的な修理で改善しても再発する可能性が高いため、買い替えのメリットが大きいといえます。

冷媒ガス不足が再発する場合は買い替え推奨

ガス補充後もしばらくすると再び不足する場合は、どこかでガス漏れが発生しています。根本修理は高額になることが多く、修理を重ねるより買い替えのほうがコストを抑えられる可能性が高いです。

立ち上がりの遅さは劣化の初期サインの可能性が高い

暖房の立ち上がりが遅いと感じたら、まず気温の影響か劣化によるものかを判断することが重要です。フィルター清掃や室外機周りの環境改善など自分で対処できるケースも多いため、まずは本記事のチェックポイントを確認してみてください。

使用年数が10年を超えているエアコンであれば、修理よりも買い替えのほうがコストパフォーマンスに優れている場合が多いです。立ち上がりの遅さは劣化の初期サインである可能性が高く、早めに対処することで突然の故障や高額修理を防げます

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