寝室でエアコンをつけたまま眠ろうとすると、「ゴォーッ」という音や「カタカタ」という振動音が気になって眠れないという経験はありませんか。日中は気にならない音でも、静かな夜間には驚くほど大きく感じてしまいます。

エアコンの音が気になる状態を放置すると、慢性的なストレスや睡眠の質の低下につながります。

十分な睡眠が取れないことで、日中の集中力が低下したり、体調不良の原因になったりすることもあります。

エアコンの音の原因を理解し、適切な対策を取ることで、静かで快適な睡眠環境を取り戻すことが可能です。

エアコンの音がうるさくなる主な原因

エアコンから発生する音には様々な種類があり、それぞれ異なる原因があります。一般家庭に置きやすい代表的な音の種類を紹介します。

フィルターや内部の汚れによる風切り音

フィルターにホコリがたまると空気の通りが悪くなり、「ヒューヒュー」といった音が出ます。

これは汚れたフィルターを通して無理に空気を吸い込むため、通常よりも大きな音になるのです。

特に冬は室内干しが増え、ホコリが多くなるためフィルターが詰まりやすい傾向があります。

さらに内部のファンや熱交換器にホコリやカビが付着すると、空気の流れが乱れて異音の原因になります。

長期間クリーニングをしていないエアコンは、音が大きくなるリスクが高いといえます。

ファンやモーターの劣化

長年使っていると、ファンやモーターなどの駆動部品が劣化して異音を発することがあります。

ベアリングの摩耗や軸のズレが起こると、「ガラガラ」「キュルキュル」といった音が出る場合があります。

またモーターの振動が強くなり、低く響く音や断続的な異音を放置すると故障の原因になるため、早めの点検が必要です。

設置場所や振動が原因

室内機や室外機の設置が不安定だと、振動音が増えるケースがあります。

室内機が壁にしっかり固定されていないと、運転時の揺れが壁に伝わり「ブーン」という低音が発生します。

さらに傾いて設置されている場合は、ドレン水が正常に流れず異音の要因になることもあります。

室外機も同様で、設置面が不安定だったり壁に近すぎたりすると振動が増し、寝室に響く場合があります。特にベランダや外壁に設置された室外機は、建物全体に音が伝わりやすい点に注意が必要です。

冬特有の動作音

冬の暖房運転時には、夏の冷房時とは異なる音が発生することがあります。

外気温が低いと、室外機の霜取り運転が頻繁に行われ、この時に「シューッ」という音や運転パターンの変化による音が聞こえます。これは正常な動作ですが、夜間の静かな環境では気になることがあります。

また、低温時には潤滑油の粘度が上がり、起動時の音が大きくなることもあります。さらに、外気温と室内温度の差が大きいほど、エアコンは高負荷で運転するため、通常よりも大きな運転音が発生しやすくなります。

自分でできる静音化テクニック

エアコンの音を軽減するために、家庭で簡単にできる対策がいくつかあります。これらの方法を試すことで、多くの場合は音の問題を改善できます。専門業者に依頼する前に、まずは自分でできる対策から始めることをおすすめします。

フィルター清掃と簡易メンテナンス

最も基本的で効果的な対策が、フィルターの定期的な清掃です。2週間に1回程度、フィルターを取り外して掃除機でホコリを吸い取り、水洗いして乾燥させます。これだけで風切り音が大幅に軽減されることが多くあります。

フィルター清掃と同時に、吹き出し口やルーバーも拭き掃除することが大切です。ルーバーの動きが悪いと「カタカタ」という音の原因になるため、スムーズに動くか確認します。市販のエアコン洗浄スプレーを使って、表面的な汚れを落とすことも効果的です。

送風モード・設定温度を工夫する

エアコンの設定を見直すことで、音を抑えることができます。「強風」モードは音が大きいため、「自動」や「弱風」モードに切り替えることをおすすめします。多少時間はかかりますが、静かに運転しながら快適な温度を保つことが可能です。

設定温度を極端に高くすると、エアコンがフルパワーで運転するため音も大きくなります。20度前後の適温に設定し、必要に応じて布団や毛布で調整することで、エアコンの負担を減らせます。

室外機の設置場所や振動対策を見直す

室外機の設置状態を確認し、ガタつきがないかチェックします。

設置台が不安定な場合は、防振ゴムや防振パッドを敷くことで振動を軽減が可能です。

ホームセンターで数百円から購入できる防振グッズは、手軽で効果的な対策です。

また室外機の周囲に物が置かれていないか、壁に近すぎないかも確認が必要です。吸気口や排気口が塞がれていると、効率が落ちて音も大きくなるので周囲30センチ程度のスペースを確保することを意識しましょう

サーキュレーターや加湿器を併用する

エアコンの設定温度を下げて静かに運転し、サーキュレーターで暖かい空気を循環させる方法も有効です。エアコンだけに頼らず、複数の機器を組み合わせることで、個々の機器の運転を抑えられます。静音設計のサーキュレーターを選べば、トータルでの騒音を減らせます。

また加湿器の併用も効果的です。

適度な湿度があると体感温度が上がるため、エアコンの設定温度を下げても快適に過ごすことができ、エアコンの運転音を抑えることにつながります。

まとめ

冬の夜にエアコンの音が気になる原因は、フィルターの汚れや部品の劣化、設置の不安定さ、冬特有の運転などがあります。放置すると睡眠の質が落ちるため、早めに対策することが大切です。

フィルター清掃、温度設定の見直し、防振グッズの活用、サーキュレーターや加湿器との併用などで多くの場合は改善できます。

それでも効果がないときは専門業者に相談し、必要に応じて修理や買い替えを行いましょう。静かで快適な冬の夜を取り戻すために、できることから実践してみてください。

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